周囲を海に囲まれている日本は洋上風力発電の導入が期待されている

最終更新日 2024年3月31日 by nnacafe

日本でも有力な発電方法の一つとして認められているものが風力発電と呼ばれるものです。
国内では様々なエネルギーが使われていますが、他の再生可能エネルギーと比べた場合には、風力発電はまだまだ未熟な部分があるとも言えるでしょう。

風力発電とは

そもそも風力発電とはどのようなものなのかと言うと、太陽光発電と並び、代表的な再生可能エネルギーによる電気エネルギーの一つに当たります。
名前からも分かるように、風のエネルギーを電気のエネルギーに変えるものであり、2000年以降導入件数が増加傾向にあります。
日本での設置基数は2500を超えています。

風力発電のメリット

風力発電には様々なメリットがありますが、その一つ目にあげられることが、経済性を確保できる可能性があるという点です。
大規模に発電することができれば、発電コストは火力並みだとも言われています。
このようなことから経済性も確保できる可能性があるエネルギー源と期待されているのです。
そして変換効率が良いこともうひとつのメリットと言えるでしょう。
風車の高さや姉によっても違いが出てきますが、風力のエネルギーは効率よく電気エネルギーに変換しやすいとも言われています。
そして陸上と洋上での発電が可能である点です。
日本で風力発電を思い浮かべると、その多くが山間や丘などに立っている陸上の風力をイメージする人が多いかもしれません。
実際のところ日本では陸上風力の方が設置が進んでいますが、導入できる地域は限定的であり、近年では大きな導入のポテンシャルを持つ洋上風力発電が検討されているのです。
そして昼夜を問わず稼働できるという点です。
太陽光発電の場合には、太陽が出ている昼間の時間帯にしか発電することができませんが、風力の場合には風が吹いていれば、夜間でも稼働することができるので、時間帯の影響をそれほど受けることはありません。

風力発電の課題

このように数多くのメリットがあることがわかりましたが、実際にはまだまだ課題があるのが実情です。
風力発電の導入は2000年以降かなりの増加傾向にありますが、まだまだ導入量は少ないのが現状です。
そのためにも様々な課題を解決していく必要がありますが、それが発電コストの削減です。
陸上風力発電にかかるコストは、世界平均の4.8円と比較して、なんと8.1円も高い12.9円とされています。
開発から運営まで全てを担える風車メーカーの育成、また低コストが実現できる新型風車を開発する、効率の良いメンテナンス、人材育成など、効率よく安定的に発電できるシステムの確立が求められています。
そして環境アセスメントの手続きなどによって、リードタイムが長くなってしまう点です。
大規模開発事業などによる環境への影響を事前に調査する手続きのことを、環境アセスメントと呼んでいますが、これには通常3から4年ほどの年月がかかるとされています。
このように年数が必要であることから、スムーズな導入には少なからず影響を及ぼしているとも言えるでしょう。
今後は手続きに要する時間の短縮化が求められています。
このように陸上風力発電においては、適した地域が限定されてしまうことから、現在新しく注目を集めているものが、海域を利用した洋上風力発電と呼ばれるものです。

洋上風力発電の可能性

日本は他の外国と比べた場合にはかなり国土が狭いのが特徴ですが、周囲を海に囲まれているのが大きな特徴です。
このような周囲を海に囲まれている環境は、洋上風力発電を導入しやすいとも言えるでしょう。
導入するにあたり、海域の占用に関するルールの問題、漁業などとの利害調整が必要など様々な課題があったものの、実は2019年に法律が施行されたことによって、これらの課題はクリアされ、今後は適切なプロセスによって進められるようになるとも言われています。
また日本政府においても、洋上風力発電を導入するために、様々な政策の実施を低減しています。
例えば中長期的な導入目標量や発電ポテンシャル量の提供を行うことにより、継続的に、なおかつ計画的に導入の促進につなげることが挙げられます。
その他にも関連産業の育成や地元の経済や産業を活性化していくこと、導入までをスピーディーに行うために、事業者や促進区域指定などを円滑に行うことなども挙げられています。
現在の日本の洋上風力発電の導入量としては、約2万KWに達していると言われています。
現在環境アセスメントの手続きを行っている案件が約1300万kw以上となっていて、積極的に民間企業などが事業参入を行おうとしていることが分かるでしょう。

まとめ

世界規模で見た場合には、再生可能エネルギーの中でも風力発電は比較的導入が進んでいると言われていますが、日本では様々な課題などにより、まだまだ導入が進んでいるとは言えないのが現状です。
とは言え風力発電のポテンシャルは非常に高いものであり、将来的に日本の再生可能エネルギーの導入の拡大に大いに貢献してくれることが期待できます。

 

参考文献
Influx 洋上風力